理想が高いのはいけないことか

 突然だけど、あなたの目の前にこんな女性が現れたらなんと答えるだろう。「わたしの理想のタイプは背が高くてぇ、お金持ちでぇ、顔がかっこよくてぇ、清潔感があってぇ、優しくて思いやりがあってぇ、浮気しなくてぇ、紳士的でぇ、包容力があってぇ、価値観が合ってぇ~」おそらく随分序盤に「そんなヤツはいねぇ」と答えるか心の中で呟くだろう。理想が高いのは結構だけど、残念ながらこの世に完璧な人間というのものは存在しない。しかしスノーボードにおいては、理想の雪山を追い求めたくなるのがスキモノの性だ。
 では思い描く限り、ここに理想のスノーリゾートの条件を挙げてみよう。豊富で上質な降雪があり、シーズンが長くて、スノーキャットでいろいろな場所へ連れて行ってもらえ、1本のランが長くて、斜度もしっかりあって、バーンの取り合いをしなくていいくらい人が少なくて、ツリーランができて、オープンバーンも滑れて、できればマッシュも飛べて、最高のホテル、最高の食事、最高のガイドがいて…。「そんな場所あるわけない」と諦めるのは早い。世界は広い。実はこれらの条件をすべてクリアするスノーリゾートが実在する。Baldface(ボールドフェイス)という名前を聞いたことのある人も多いだろう。
 カナダ・ブリティッシュコロンビア州にセルカーク山脈がある。内陸にあるセルカーク山脈は沿岸部のウィスラー・ブラッコムに比べてドライな雪が降ることで知られている。さらに内陸にある有名なロッキー山脈はドライな雪が降るが降雪はそれほど多くない。ウィスラーとロッキー山脈の間に位置し、降雪も多く質のいい雪が降る。年間の総積雪量はなんと12mオーバー。世界でも豪雪地帯として有名な日本だけど、昨年の国内累積降雪量1位の青森・酸ヶ湯でも14.23m。ボールドフェイスの積雪量も全く引けを取らない。しかも広大な32,000エーカーの滑走エリア(21のスキー場が点在する国内最大の志賀高原でも1,050エーカー)を誇り、斜面は起伏に富み、ツリーランからオープンバーンまで滑走可能。そのうえロッジに滞在できるのは12組の24名まで。ラインの取り合いなんてあり得ない。さらにホテルも食事も超一流で、シーズンは12月から4月中旬まで。アフタースノーにはサウナ、マッサージも完備。ボールドフェイスまでのアクセスはネルソン空港からのヘリアクセスしかない。つまり、リゾートのゲスト以外が滑りに来ることは絶対にできない。と、ここまで読んでみてやはり気になるのはお値段でしょう。ズバリ、3日間で約$2,600(約29万円)~、4日間なら約$3,600(約40万円)~。料金に含まれるのは食事、宿泊、ガイド、滑走費、安全装置、ネルソン空港からボールドフェイスロッジまでの輸送費。これを高いと取るか安いと取るかはあなた次第。でも一生に一度は行ってみたい、まさに理想郷だ。

-AY

 


トラビス・ライスが語るボールドフェイスの魅力とは。

 


ミッケル・バンがクレイグ・ケリーのボードでボールドフェイスを滑る。

 


トラビス・ライスのウルトラナチュラルがおこなわれたのもボールドフェイスだった。

Click to Share