恐怖の大王は1999年に空から来る

 スノーボードを始めてかれこれ20年くらいになる。それだけ長いことやってると、スノーボードビデオも数え切れないくらい観てきたと思う。年寄りみたいなことを言うと、昔はインターネットなんてなかったからビデオを買って見たり、スノーボードショップに行って店頭で流れてるビデオをずーっと観てた。お気に入りの作品もたくさんあるけど、繰り返し、繰り返しずっと観ていた作品がある。一緒についてたCDもやたら聴いてた。その作品の名前は『1999』。1999年と言えば、ノストラダムスの大予言が大流行した時代。「恐怖の大王は1999年に空から来る」と言う根も葉もない噂に少年たちはビビりまくっていた。そんな時代だったこともあり、このビデオのテーマも世紀末。でもこの作品が本当に愛すべき作品になったのはそんな理由からじゃないと思う。じゃあなぜあの頃、このビデオが大好きだったのか。挙げられるだけ考えてみようと思う。

・オープニングからぶっ飛んでる。どういうわけか無理やり入ろうとしたスノーボーダーに対して「あいつを撃て!!」と命令して、おもちゃの銃で撃つというシーンが秀逸だった。あそこで銃を撃ってるのが当時まだ駆け出しの編集者だったパット・ブリッジス(その後、Snowboarder Magazineの編集長になった超有名人)。作品内で審判の格好をしてるのも若かりし頃のパット。
・ニール・ゴスのダックスタンス(ガニ股)っぷりが半端ない。ライダーによってさまざまなスタイルが混在していた時代。スタンスが狭い人もいれば、広い人もいた。スピンの回し方も人それぞれで見ていて飽きない。
・タラ・ダキデスの滑りが男前過ぎる。当時活躍していたガールズライダーの中でも飛び抜けて男っぽい滑りをしていたタラの滑りがかっこいい。
・尾瀬戸倉でおこなわれたニッポンオープンの映像が収録されているのも貴重。
・テリエ vs マイケル・マイケルチャックの伝説のUS OPENの映像も見れる。当時はマイケルチャックは体操っぽい滑りでダサいと言われてた。マイケルチャックは生まれるのが少し早すぎたのかもしれない。
・35分頃に登場する当時まだ無名だったロメイン・デ・マルチの滑りが神がかってる。実はこの作品のいちばんのお気に入りはロメインの滑りだった。彼ひとりのパートではないけど、強烈な衝撃を受けたのは今でも覚えてる。スピン中にステールフィッシュで刺してるとこと、ジャパングラブでFs 720回してるところはマジで何回も巻き戻して見てた。
・トレバー・アンドリューのマックツイストが美しい。今や有名ミュージシャンのトレバーだけど、バーチカル系はずば抜けてうまかった。中でも彼のマックツイストは凄くかっこいい。
・エンディングがまたよく出来てる。ここで使われている曲がバズ・ラーマンの“Everybody's Free (To Wear Sunscreen)”という有名な曲で、人生の教訓みたいなものが砕けた言葉で綴られている。その言葉に合わせて映像が並んでいるもの面白い。
 ちなみにライオ(田原)さんもあるシーンで登場します。一瞬だしクレジットも出てないので分からないと思いますが、分かった方はコメントしてください。正解者には「正解です」とお伝えします。

-AY


出演ライダーが超豪華。ミッヒ・アルビン、トレバー・アンドリュー、アラン・クラーク、タラ・ダキデス、ロメイン・デ・マルチ、ニコラス・ドロス、ダニエル・フランク、ステファン・グルーバー、テリエ・ハーコンセン、アクセル・ポーポルテ、ランス・ピットマン、ケール・スティーブンス、カート・ワステル、他いっぱい。


フォトグラファーのジャスティン・ホスティネックが2001年にスタートさせたAbsinthe Filmsによる『Transcendence』。ちなみに『1999』の冒頭で編集長に電話をつないでもらえないのがジャスティン。この作品にも多大な影響を与えている。


1999年の尾瀬戸倉での映像を見つけた。BGMに007が流れるとか今の時代にはない。ってかMCはハゲ監督じゃないか。

スノーボード 審判 snowboard judge

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