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CORE

チームスノーボーディングブランド

Rideのブランドの核になるものはなんですか?

ジム:Rideには3つのコアがある。ひとつ目はチーム。’92年のブランド発足からRideはライダーが主体で継続してきているチームスノーボーディングブランドなんだ。ふたつ目はジョーク。Rideはこれからもジョークを飛ばしながらやっていきたい。ラフで、シリアスとは逆のスタンスだね。3つめはプロダクト。プロダクトはつねにシーンのベストでなければならない。Rideには技術力が高い本物のエンジニアたちがいて、しかも彼らは学校で技術を学んだだけではなく、リアルなスノーボーダーなんだ。ボードエンジニアのマイケルはパイプでダブルは飛んでいるし、マジで超上手い。ブーツエンジニアのトロイなんて、ストリートレールやってるからね。いまとなってはピッチピチのタイトパンツなんか履いてるけど(笑)。

(L→R)ブランドディレクターのジム・リンバーグ、マーケティングマネージャーのタナー・マッカーティ。Photo:Yoshi Josef Toomuch

ものすごく頭にきたよ。それでTシャツにマジックで「Sucks(クソ)」って書いたんだ。

ジムはどうやってスノーボードを始めたの?

ジム:’95年ごろ、Thrasher Magazineに“Cold Snap”っていうコーナーがあって、その記事のスノーボーダーの写真を見てから。「なにこれヤバいじゃん!」ってなって、すぐに父親にスノーボード買ってくれって頼み込んだよ。それで父親はウォルマートでチープなスノーボードを買ってくれたんだ。

ジムはどういった経緯で今の仕事に就いたの?

ジム:高校を卒業したときは、なんとしてでもスノーボードを続ける生活をしたいと思ったからモンタナ州に引っ越したんだ。そのころはK2の板を使っていて、板が壊れてしまってK2のワランティに連絡したんだけど、保証がきかなかった。ものすごく頭にきたよ。当時K2のTシャツを持っていたんだけど、それにマジックで「Sucks(クソ)」って書いたんだ。その「K2 Snowboards Sucks(K2スノーボードはクソ)」と書いたTシャツを毎日のように着てた(笑)。で、いつも通りそれを着てバーで飲んでたら、「おい、なんなんだそのTシャツは!?」って男が現れて、その男にすべての経緯を説明し終えたら、「…ええっと、オレK2の営業なんだ」って(笑)。彼が「新しい板あげたらそのTシャツ着るのやめてくれる?」って言うから、もちろんイエスと答えた(笑)。その板を貰ってからオレはK2好きに戻って、最終的には彼の下で働くことになった。その後に同じグループ会社であるRideの仕事をすることになったんだ。

タナーはどんな感じでスノーボードを始めたの?

タナー:家族でスキーに行くたびにいつも山でスノーボーダーを見かけていて、スキーよりもクールだからすぐ自分もスノーボードがしたいと思ってたんだ。2000年に自分の板を手にしてから、本格的にハマった。大学の頃には“East Snowboard Magazine”という雑誌を作り始めた。オレの地元のアメリカ東海岸のシーンは他と変わっている部分もあるし、たいして大きな出来事はないんだけど、東海岸で起こっているすべての出来事をその雑誌には詰め込んでたんだ。

その頃はどんなライダーたちがまわりにいた?

タナー:マイク・ラベルソンやジョニー・オコナーは雑誌を初めてすぐの頃にインタビューしたよ。普段つるんでる友達だからインタビューは全然うまくいかなかったけどね。マジメにやり始めても、酔っ払いすぎたりしていつもちゃんと終わらなかった(笑)。自分の少し年上の世代にはパット・ムーアがいて、彼のやっていたことはすべて真似しようとしていたよ。その後、Forumの営業の人と知り合ってオレはForumのフロウライダーになったんだ。

Eastern Boarder(多くのトップライダーを輩出する東海岸の老舗ショップ)で働いてたんだよね? その後Rideに移ったの?

タナー:Eastern Boarderで働き出したことも大きな経験だった。その後大学を出るときに就職先を探していて、Rideがブランドの方向転換をするにあたってポストが空いたと聞いて応募した。Rideで起こり始めたニューウェーブに参加したかったんだ。

TEAM

Quality over quantity.(量よりも質)

コンテストからストリート、ビッグマウンテンまでバリエーションに富んだライダーを擁するRideチーム。「さまざまなライダーがいるけど、彼らのスノーボーディングに対する取り組みかたやマインドは共通してる部分があるんだ」とチームマネージャーのタナーは語る。

フレッシュでいいメンツが揃ったチームだと思うんだけど、ライダーを選ぶ基準とかってあるの?

タナー:「量より質」ということを大事にしてる。プロになりたいから大会も撮影もなんでも頑張りますって言うのは簡単だけど、本当に大事なのは自分がなにをやりたいのか、なにが楽しいのかっていうこと。結局はうまくなること、つねに上達を目指すことなんだ。チームライダーたちはみんなそういう考え方をしていると思う。ライダーたちは撮影のとき、いつも人と違うアプローチをするよう心がけている。なぜなら、なにもかも他の人がすでにやってしまっているから。だからこそ他人とは違うことをしないとライダーとしてはこの先やっていけない。いい方向でやり続けていくには、つねにクオリティに気を配って細かいところを気にしなくてはならないしね。本当に細かいところをね。

そうだね。フルパートとかは特に細かい点を気にしなければいけないよね。

タナー:自分のやりたいことや方向性が見えている人こそが、新しいものを生み出したり、なにかを変えることができるんだ。Rideからリリースするものに関しては、Rideがなにがしたいのか、なにを信じているかを表現している。それがキッチリできていれば、観る側のスノーボーダーたちは感じてくれる。ストークしてくれたら、その作品に出てるライダーたちが乗ってる板に乗りたいって思ってくれるはずだと信じてる。

ジムはブランドディレクターとしてチームのことをどう考えてるの?

ジム:オレはタナーの感覚を信じているから、彼にかっこいいと言わせたライダーはウェルカムだよ。それに、実際にライダーに会ったり滑りを見たらわかるんだ、彼らのスノーボードに対するパッションがね。究極を言えばすべてはパッションなんだ。ジェイク・ブラウベルトはターン1発だけでめちゃくちゃヤバいだろ。ストリートをやってるライダーたちも誰がどう見てもヤバいレベルのトリックをしてる。ジャンルなんてものは関係なく、スノーボーディングが素晴らしいってことさ。そういう滑りからはものすごいパワーを感じる。みんなそうだろ? そのパワーを感じてなかったら今日までスノーボード業界にいないと思う。たぶん今頃は株や洗濯機でも売ってるよ(笑)。

Rideチームの世界観を凝縮したショートムービー“Ride Team Rewind”。

BACK TO THE ROOTS

そのときのオレたちの決断は「やりたいことをやること」

Rideがよりコアなイメージになっていった背景は?

ジム:オレがUSセールスの責任者になった頃は、売り上げとしてはRideのピークで、会社の運営をキープさせていくためにしなければいけないことも多かった。ライダーの選び方やデザインにおいてもね。Rideは歴史と信頼があるブランドのはずだった。コアなスノーボーダーたちのためにプロダクトを作り始めたのに、コアなファンたちも離れていってしまったんだ。売上も徐々にダウンし、大きな決断をする局面に立たされた。そのときのメンバーはオレとタナーとティードアとエンジニアたち。全員でこのことについて話あったよ。そのときのオレたちの決断は「やりたいことをやること」。とにかく、作りたいモノを作って、かっこよくやろうぜ。っていう話で意見がまとまったんだ。

それはグラフィックなどのデザインにも影響した?

ジム:もちろん。みんなシンプルなデザインが好きだし、カラーリングもオレたちが好きなモノクロやダークな色を使うようになっていたんだ。

板のラインナップもオールマウンテンの要素を取り入れたり、変化があったよね。フリーライドの板が増えた経緯は?

ジム:フリーライドボードが増えたいまのラインナップになったきっかけはジェイク・ブラウベルトがチームに入ってから。彼は人工物での滑りはかなりやってきたから、Rideに来る頃にはナチュラル地形でスノーボードがしたいという気持ちが強かったんだ。彼がシグネチャーのBerzerkerを作ったことから全てが始まったように思う。それがAlter Egoになった。その流れの後に、エンジニアのマイケルがWarpigとTimelessを作り出したんだ。

WarpigもTimelessもいいシェイプだよね。

ジム:マイケルが最初にWarpigのアイディアを持ち込んで来たときは戸惑ったよ。「こんなのアリなの? 売れんのかな? なにコレ?」ってね(笑)。それが発売する3、4年前の話だから、マーケットにこのタイプの板は出回ってなかったしね。この誰も見たこともないようなシェイプの板が本当に売れるのか不安でしょうがなかったよ。でもマイケル本人は超本気だった。彼の熱意を感じてオレも「よっしゃ、やろうぜ。作ろう。なんとか売るよ」ってなったんだ。実際に乗ってもマジかってくらい良い板だったしね。

アツいね。それで、実際に人気モデルのひとつになったんだよね?

ジム:そう! いまでもその人気ぶりには驚いてるよ。すべてはマイケルの熱意から始まったことがいまでは世界中の人たちに受け入れられている。しかもディレクショナルでテーパードという原点回帰したようなシェイプでね。熱い思いっていうのは人に伝染していき、やがては行動させるということを実感したよ。

Rideのフリーライドボードが増えたキッカケを作った張本人、ジェイク・ブラウベルト。バックカントリーでたった2分でもジャンプを作る作業はしないというジェイクは、本映像でも100%ナチュラルヒットで圧巻の滑りを披露している。

ノーズの浮力を確保したテーパード設計のディレクショナルロッカーであり、パウダーが期待できないときはセンターでセッティングできるという、ありそうでなかったシェイプで登場したWarpig。

PASSION

スノーボードはやめられない

ブランドの方向性を決めるうえでいちばん大切にしていることは?

タナー:パッション。

ジム:それはオレたちだけじゃなくてRideのライダー、エンジニア、アーティスト、セールス含めて全員が持っているものだと思う。今回だって日本に初めて来て、日本のRideのチームやスタッフもみんな同じパッションを持っていると感じた。ノノもアンディもマツにマッキーもみんなオレらと同類だなって(笑)。まったく違う文化で言葉も通じない国に来ても、自分と同じようなパッションをもつ人たちとハングアウトできる。それって最高にクールだよ。そんなメンバーでRideをやってるなんて嬉しいし、すごく大事なことだよね。

タナー:山で一緒に過ごせばなおさら感じるよね。お互いの滑りでアガるっていうか。スノーボーディングは人を繋げてくれる。

ジム:モノが飛ぶように売れるわけでもないし、雪が降らなければモノは売れない。スノーボードビジネスは大変だよ。パッションでやってる以外のなにものでもない。

Rideにとってこの先も変わらないことってある?

ジム:とにかくやりたいことをやるってことかな。会社を運営するうえで、売り上げとのバランスや方向性に迷うときもあるけど、結局はやりたいことをやるのがいちばん大事なんだ。

タナー:やりたくないならやらない。オレたちはスノーボードに人生を捧げていろんなことを犠牲にしてきたからね。じゃなければ今頃オレたちも金持ちでビーチでチルしてるかも(笑)。寒いときも怖いときも貧乏なときもあるけど、すべてはスノーボードしてなかったらこんな目には合わないはずだよ(笑)。でもスノーボードはやめられない。ここにいるみんなはちょっと頭がおかしいんだ(笑)。

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