そろそろメンタル見直しませんか?

 
 高校生と中学生の子供を持ち、42歳にもなると、若い頃には分からなかったことが少し理解できたり、見えなかったことが少し見えてきたりするもんなんです。俗に言う「大人になる」ってやつなんでしょう。ま、もしかしたら、そんな気になってるだけなのかもしれませんが(笑)。
 19歳で始めたスノーボードも、今シーズンで23年目、ってことは産まれたての子供が23歳になるってことですから、世に言う立派な成人男子、もちろんボーボーです(笑)。そりゃあキスだって済ませてるし、失恋のひとつやふたつはしているし、○○○○だって知ってて当然の年齢。そんなボーボーなわたくしがコラムを書くんですから、楽しいだの、何だのって学生のような視点ではなく、少し大人な目線で書いていこうと思っていますので、よろしくお願いします♡
 わたくしがスノーボードを始めた頃は、そもそも滑走可能なゲレンデは少なく、1日ゲレンデを滑って「今日スノーボーダー3人いたよな?」、「いや5人はいたぜ?」なんて帰りの車で友人と話すくらいの時代で。リフト待ちではスノーボードを指さして「それ何ですか?」なんてよく聞かれたし、友達に「スノーボードやろうぜ!」と誘うと「何それ?」なんて言われたりと、一般にはほとんど知られていない完全にマニアックな遊びでしたね。今、振り返ると、みんなのそういった反応に「自分たちしか知らない、とっておきな遊び」という優越感を感じたし、99%のスキーヤーの中に数人しかいないスノーボーダーのアウトロー(はみ出し者)な感じが、新鮮で斬新でズバ抜けてかっこよかった。カラフルなスキーウェアにゴーグルしてお上品に優雅に滑るスキーヤーに対し、スノーボーダーはサングラスにダボダボのパンツにネルシャツやコーチジャケットと、その様はまさに良い子と悪い子。あの当時は滑りながらタバコ吸ってたっけ(笑)。当時の日本に比べ、10歩以上先に進んでいた本場アメリカのスノーボードシーンが、その時代の日本の若者に与えたインパクトは大きかった。悪い子=不良=ヤンキーという定説じみた流れに対し、悪い子=スノーボード(スケボー)と、まったく新しい悪い子のスタイルを提示してくれたことが、この数年後に巻き起こる爆発的なスノーボードブームに繋がっていったんだと思います。そもそもスノーボーダーなんて言葉すら無かった時代だったので、当時自分にスノーボードのイロハを教えてくれた師であるSHINGO420先輩からは「これから始める人やサーファーやスケーターにスノーボーダーがかっこわるいとかダサいとか思われないようにかっこよくなきゃいけない」といろんなことを教わりました。
 とくに“スタイル”については、かなりディープな領域まで入り込んだりして自分たちがスノーボーダー像を作り上げていくという、なんとも言えないこれまた優越感と、逆に使命感や義務感を持ちながら、全力でかっこつけていましたね。ま、今でかっこつけていますが(笑)。
 ま、昔話はこれくらいにして、わたくしがこのコラムを通して伝えたいことは、もっとスノーボードに対する「濃度を濃くしていこう」ということ。我々の時代はほとんどの人がスノーボードの存在を知らない時代だから、滑る環境やギアの性能、情報量の少なさなどなど、すべてがアナログなゆえ、今と比べると濃い目だったわけです。でも時間の流れと共に爆発的なブームから市民権を得て、今ではオリンピック種目となったスノーボードシーンは、その広がりや進化とともにその濃度は薄くなり、今ではシャビシャビの薄々な感じがしてなりません(笑)。スノボくん、スノボちゃんには、まったく関係ないし、必要もない この“濃さ”ですが、このコラムを読んでるスノーボードを愛してやまない人たちには絶対に大切なことだと思うのです。“濃さ”。仕事柄、お店を通していろんなスノーボーダーと話すのですが、「最近、ぜんぜん上手くならないんですよ…」とか「このところスノーボードが楽しくないんです…」などと言ってくるスノーボーダーが多いのですが、そういったスノーボーダーに限って、昔から「ある部分」があまり変わってないと思うんです。
 小学校を卒業すると中学、またその中学を卒業すると高校、大学、社会人と、人間はある大きな段階を経て考え方も変えていきながら大人に成熟していきますよね? いわゆる「もう高校生なんだから、大学生なんだから、社会人なんだからしっかりしなさい」とかってやつ(笑)。それはスノーボードの世界にも当てはまると思うんです。つまり、滑る行為は続けているから上手くなるんですけど、それと同じようにスノーボードに対する考え方やとらえ方も成長させてかなければいけないんじゃないか?
 そうです、この“考え方”や“とらえ方”が上記の「ある部分」ってやつ。滑り自体は上手くなってるのに道具の選び方や滑りに行くゲレンデの選び方、モチベーションの維持の仕方など、スノーボードに対する考え方やとらえ方や価値観も経験と共に成長させていくこと。実はこの部分をおろそかにしちゃっている人がすごく多いんです。毎週のように滑りに行ったり、それこそパークに入ったり、バックカントリーの世界へ入っていったりと、一般レベルのスノーボーディングはかなり広がりも深さも増している中で、そういったメンタルな部分がまったくライディングのレベルについていってない…。わかりやすく言えば、レギュラーだけ滑れるようになったとしても、スイッチができなければ、ある領域に達したときに必ず壁にぶつかりますよね? それと同じ、心身ともにの“心”の部分の成長を補っていくことでバランスが取れてきて、スノーボーディングの『濃さ』が増し、スノーボーディングの素晴らしさをもっと理解・体感できると思います!
 初回から支離滅裂な文章で、かなり熱く語ってしまいましたが、次回はそのあたりについて書いていこうと思っています。

Kingpin Productionの『Sexual Chocolate』。たぶん'94年くらいの作品だと思いますが、擦り切れるほど見た個人的名作VHS劇場(笑)。

 

田辺竜太 / RYUTA TANABE Facebook Instagram田辺竜太
RYUTA TANABE

The Itaya Superior Serviceの雇われ店長。スノーボードを父に持ちヲッパイを母に持つと噂される42歳、典型的なB型の牡羊座。趣味は通勤電車内での読書。近年は自称サインペインターとしても活躍中。

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