脱マンネリ化

 この記事がアップされる頃には、わたくし23回目のシーズンインを我が県が誇る日本で一番早くオープンするゲレンデ "イエティ" で済ませていると思われます。そりゃあハイシーズンに比べたらコース幅も狭いし、距離も短いし、人工雪だし、おまけに人は多いし… と、ダメ出しを言い出したらキリが無いんですが。無類のスノーボード好きな我々にとっては、狭かろうが短かろうが人工雪だろうが人が多かろうが、それほど苦にならず「やっぱりスノーボード最高だよな~」と毎年リフトの上で感慨深く納得するわけなんです、間違いなく今年も(笑)。
 ただ、毎年いつものルーティンワークのようにこなしているだけだと、そりゃあ無類のスノーボード好きのわたくしだってマンネリ化、感度も鈍くなってしまうのも事実。また、20年以上もスノーボードからいろいろな感動や刺激を受けてくると、多少のことでは反応をしなくなってしまうのも、これまた事実。かなしき人間の性ってやつです…。
 昔の先人たちは言いました、「本当に上手いヤツって、面白くないゲレンデや、つまらないコースを楽しいゲレンデやコースに感じさせるライン取りをする」と。その先人たちの言葉の裏にあるモノ、すなわちそれは“創意工夫”。そうです、今回はこの創意工夫についてわたくしなりの解釈と表現方法で綴ってみようと思います。
 どれだけ楽しいことだって、美味しいモノだって、嬉しいことだって、気持ちの良いことだって、それに慣れ親しんでしまえばマンネリ化が待ち構えているのは皆さんも経験済みだと思います。それはスノーボーディングだって全く同じで、同じようなギアを使って、同じようなゲレンデを毎年同じように滑ることを繰り返していくうちに、必ずマンネリ化してしまうんです。事実、スノーボードに飽き、止めてしまう人はほとんどそんなケースが多いんじゃないでしょうか。わたくしが20年以上もマンネリの波を上手くかわして、スノーボーディングに対するモチベーションを保ち続けられているのはなぜか。そう自問自答した結果、出てきた答えも、これまた“創意工夫”。つまり飽きないように色々と工夫をしながらスノーボーディングに接してきているんです。以前、某コラムにも綴らせていただきましたが、この創意工夫ってやつ、わたくし個人的には“クリエイト”と解釈しているんです。英語にしたら“Create”。漢字にすると“創造”。そうです創造、創意の創。創造とは、何も無い状態から新しい物事を作り出すことを言うんです。もちろん、普段使い慣れたボードで滑り慣れたゲレンデを気の知れた仲間と楽しむのは最高だし、ある種のゴールでもあるかもしれません。ですが、あえてここで提言したいのは、むしろその逆。未知数なボード、初めて滑るゲレンデ、はじめましてな友達…。これらのどれかひとつでも取り入れることで、ちょっとした工夫となるわけだし、そこからもらった新鮮な刺激がそれまでに無かった感覚を呼び起こし、新しい何かに繋がっていくと思うんです。わたくしはそんな感じでモチベーションを保ってきています。
 またそんな机上の空論を……。と言われそうなんで、わたくしのここ数シーズンの創意工夫をここで紹介します。この2シーズンは完全にこちら、Spring Breakから出たPowder Hole(画像、左)にかなり強い刺激を頂戴しました。だって、なんと言ってもテールに穴が空いてるんですから(笑)。あまりにもセンセーショナル過ぎ。これを昨年の記録的な雪不足なシーズンに乗っていたんですから笑っちゃいますね~。

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 で、そのPowder Holeの欠点を自分なりに改良し、当店で激しくオススメしているハンドシェイプのスノーボードで作ってみたやつ(画像、中央)。そして、勝手にシンパシーを感じた今シーズンのPowder Hole(画像、右)。また、こんなボードをチョイスすることでライディングしかり、ゲレンデしかりと、滑る仲間からの注目度だったりにも多大な影響を与えたり受けたりしまして、雪不足なシーズンにもかかわらず、かなり楽しいシーズンを過ごせました(笑)。ま、これはわたくしの個人的な創意工夫であって、ほんの一例。世の中にはもっともっと色んな創意工夫をしてスノーボーディングに接している人がいると思うんです。もし、このコラムを読んでくれてるスノーボーダーの中に、最近マンネリ化してきてるな… なんて自覚症状が出てきてる人がいるなら、ぜひあなたのスノーボーディングライフの中に少しだけこの創意工夫って言葉を意識してみてください。きっと何かしらが変わってくると思いますよ。

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田辺竜太 / RYUTA TANABE Facebook Instagram田辺竜太
RYUTA TANABE

The Itaya Superior Serviceの雇われ店長。スノーボードを父に持ちヲッパイを母に持つと噂される42歳、典型的なB型の牡羊座。趣味は通勤電車内での読書。近年は自称サインペインターとしても活躍中。

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