握っていればそれでいいのだろうか?

 みなさん、ご自身がスノーボードをしはじめた頃のことを思い出していただきたい。いちばん最初に憧れて自分にもできそうなトリックといえば、「飛んで板を握るだけ」というシンプルなグラブ系のトリックではないだろうか。グラトリと呼ばれているクルクル系の動きに憧れる人たちも日本には多くいるみたいだけど、あれやるならスノーボードじゃなくて違う乗り物でもいいと思うぜ俺は。スノーボードはスピード感があるほうががかっけえんだ。

 話が少し脱線して失礼。グラブといえばインディ、ミュート、メラン、ステイルフィッシュ、ノーズ、テールがベーシックなグラブ。ローストビーフやチキンサラダなどのマニアックのグラブが好きなやつもいる。数あるグラブトリックのなかでも、いちばんアピール度が高いのはトゥイーク(Method)や、クレイルじゃないだろうか。高回転にも張り合えるあの感じがとにかく最高だよね。自由じゃん。シンプルな動きだけど、どんなグラブを選んでどんなカタチを出すのか、滑る人間のいろんなスタイルが出るから面白い。
 とはいえ、まだライダーとして撮影活動に励んでいた頃の俺は、ときたまこう思うことがあった…「なんでわざわざグラブしなきゃいけないのか?」と。ある時期からノーグラブでなにをしたらかっこいいのか? なんてことをよく考えたりしてた。

 「グラブをしなきゃメイクじゃない」みたいな考えもあるけど、結局は「かっこよければなんでもいいよそんなん」ということ。ライダーのかっこよさって究極をいえばスタイルであり、個性。難易度の高いなんとかコークでもシンプルなグラブトリックでも、姿カタチだけで「あ、アイツだ」とわかるような。誰かに憧れて他人の動きの真似をしてるうちはそれはまだ個性じゃないしね。ただのターンやオーリーでも誰かがバレちゃうくらいがいちばんシブい。というわけで、今回はみなさんにも観てもらいたい、板を掴まずして人の心を鷲掴みにするライダーたちの映像をご紹介。

 


ノーグラブといえば、元祖ギャングスタスタイルのマーク・フランク・モントーヤでしょ。1:25あたりのストレートエアーは、天空から一直線に獲物を狙う鷹のよう。ちなみに、ギャグか本気かわからないけどラップは口パク。

 


このパートでもやはりミニマムなグラブで魅せる先輩、マーク・フランク・モントーヤ。共演のジョニー・パクソンもノレてる。

 


ノーグラブのフッテージがパートの中に必ずワンカットは登場するショーン・ジェノベーゼ。2012年のDWDのチームビデオに収録された渾身のフルパート。

 


ラインからジャンプまで極上のフッテージを毎年残しているエリアス・エルハード。1:45のノーグラブFs 180が完全にネクストレベル・シット。

 


この年代までくるとスゴ過ぎてもうなんて言ったらいいのかわかりません。ノーグラブの3回転をここまでかっこよく魅せるライダーが出てくるなんてもう嬉しい。ありがとう!

BROCKEN-GBROCKEN-GBROCKEN-G

日本出身の旅人。長年の放浪の末、2016年帰国。元プロスノーボーダー、普通のスノーボーダー、季節労働者、Sushi職人、あのよく酒を奢ってくれる人、あのよく酒をせびってくる人、BBQ番長などなど…人が彼を形容する言葉は多くあるがVHSSNOW上での肩書きはコラムニスト。

Click to Share